2022年08月09日
真夏のあまり恐くない怪談①

私が二十歳の秋、祖父が亡くなりました。享年82歳、私が大学入学で清水から離れて京都に行くことを両親の他、誰よりも悲しく思っていたひとりです。
祖父が亡くなる前、大動脈瘤と糖尿病等で半年くらい、市内の病院に入院治療を受けておりました。
そのような中、時々私の下宿に面会に行きたいとか、煙草が欲しいと…付き添いの祖母や看護師さん達を困らせることしばしばでした。
祖父が亡くなる十日前から、
下宿に遊びに来ていた友人等から、窓からおじさんが見ているとか、誰かこの部屋に居ない?人の気配を感じるとの問いかけが、五人ほどいました。更に私は煙草は嫌いですが、下宿から大学への道則一時間の中で、何回も煙草の自動販売機で自転車がブレーキを掛けたように急に止まります。更に無意識に飲みもしない煙草を購入していた自分がありました。
しかし、今考えてみれば、祖父が生き霊になって私の処に来ていたかもしれません。(祖父の病状や様子は一切知らされておりませんでした)
更に亡くなる当日、急変の連絡をもらいましたが、間に合わず…病院から遺体になった
祖父を夜中12時過ぎに会いました。
死後四時間経過しておりました。白いハンカチをとって、祖父の顔を見ると…
うっすら眼を開けて、暫く私を見てから、
また眼を閉じました。
更に、火葬の日(死後5日)ですが、
最後のお別れの際、
あの時と同様、
私を眼を開けて、見てくれました。
あれから37年
祖父はあの世で何をしているのかな…
煙草の自動販売機を見る度に祖父を思い出します。